ちょっと前の佐久間宣行オールナイトニッポンゼロで面白い話があったのでここで忘備録。
佐久間宣行ANN0というのはテレビ東京の局員、つまりテレビの裏方の佐久間さんがやっているラジオ番組です。そこにゲストでアメトーークやロンハーのプロデューサーである加地倫三さんが出演。
テレビ東京の佐久間さんとテレビ朝日の加地さんで局は違えど(だからすごいけど)テレビ製作者同士、もちろん話題はテレビの話になります。テレビの裏側からのトークが展開され、演者側からは出てこない意見ばかりで面白かったんです
なぜテレビ番組の観覧は若い女性ばかりなのか?
番組に届いたメールでの質問だったんですが、これって以前からぼくも疑問に思っていて。なぜかバラエティ番組のスタジオ収録のお客さんって若い女性ばかりなんですよね。
3〜40代の男が好きそうな番組でも、スタジオの観覧の客は若い女性なんですよ。絶対に男性視聴者の方が多いだろうと思うような番組、例えば『ガキの使い』とかでも。
この疑問の答えが晴れました。理由は
笑い声が高くなるから
どうやらこのことに尽きるようですね。
若い女性の笑い声って高くて華やかさがあるんですよね。番組が盛り上がっているように見せるために足される笑い声というのも女性の声だし、やっぱりかという感じがします。
逆に男性ばかりにすると低い声で気になるようです。なるほどなと思ったのが、男性の笑い声だと、演者が男性なのでその声と被るのだとか。演者と被る、つまり邪魔になってしまうんですね。
疑問は晴れたけど、若干モヤモヤするところがあります。
若い女性オンリーというのは客に偏りがあるというか狭い範囲です。演者は若い女性にウケるネタに走ってしまうでしょうね。この環境では、若い女性にウケなくて男性にはウケる、という種類の笑いは生まれにくい気がします。
ちょっと前に「テレビは空気を読む笑いばかり」と脳科学者の茂木さんがテレビに噛みついていましたけど、テレビというメディア自体がそういうものなのでしょうがないという答えになります。それがちょっとモヤモヤするなと。
これがラジオというメディアになると低くていい声が聞き心地が良かったりするし、笑い声も大勢の高い笑い声はうるさいから横にいる放送作家が笑っていて、その空気が伝わる程度で良かったりするのが面白い対比だなと思いました。
テレビに出れる芸人について
テレビに出られる芸人についての話も面白かったです。芸人がテレビに出るためには、企画を成立させられる器用さが大切なようですね。
会議を重ねてどんなにいい企画を生み出しても、その企画を成立させる能力がないと、その企画自体が潰れてしまう。なので、これはもっともだなと思いました。
では、器用さとは何かというと、空気を作ることを重視しているようでした。間を埋めてくれると助かるとか。「音がなくならないことが大切」と表現していたのが面白かったですね。
企画というメインがあるので、それを面白くするというよりもまず成立させるというところを押さえておくのがプロの目線なのかなと思いました。
で、テレビで重宝する器用な芸人というのは少ないようで。麒麟の川島を「見つかっちゃった」と言っていました。川島が実力があるということが世間に広く知れ渡ってきたため、なかなかブッキングができなくなっているみたいです。
そうするとまたそういう器用さを持った芸人を探さなきゃらならいのだとか。新しい芸人を発掘するというより、探さなきゃいけないという感覚があるっていうのが驚きでした。まさにプロの制作目線ですね。
「この番組になぜあの芸人が出ない?」の謎
「売れっ子なのにこの番組にはこの芸人があんまり出ないよなー」ということってありますよね。そんな疑問から、「もしかしたら裏で何かやらかしたのかも?」とか「仲が悪いのかも」などという憶測が生まれます。
なんせテレビを作っている佐久間さんですら加地さんの『アメトーーク』に出ない南海キャンディーズ山里亮太を「山里は加地さんにハマってないんですか?」と聞いていたくらいです。
しかしこのあたりも単純な理由でした。収録日の関係や裏番組の関係などでスケジュール的に出られないというのが実情のようです。物理的に出れないんですね。
確かTBSの「リーンカーン」で山口智充がいつの間にかレギュラーメンバーから外されていましたが、あれも裏かぶりだったか収録日かぶりだったか、そんな理由があったって話を聞いたことがあります。
おわり*仕事ってそういうもんだよなと
様々な疑問の答えが全てがシンプルな答えだったので納得できたし面白かったです。なんというか、環境が作用している部分が多いんだろうなと思いました。
「こういう環境があるからその上で作るとこうなるよね」というような、なるべくしてなっている形がテレビバラエティなんだなと。
というか、まあ仕事ってそういうもんだよなって素朴に思いました。なんかこう、ものすごい意外な理由ってそんなにないんですよね。プロが日々の仕事を粛々とこなしているんだなと感じました。
ただ、当たり前のことを当たり前にこなすって、言うは易しですが難しいことですよね、、、さすがテレビのプロのトーク、面白かったです!
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