三谷幸喜『子供の事情』 舞台やミュージカルが苦手な人にもオススメできる作品

三谷幸喜作・演出の『子供の事情』という演劇を見ました。
見たと言っても劇場に足を運んだわけじゃなく、wowowでの放送ですが。

ぼくが舞台が苦手で、舞台作品自体を見るのが初めてだったんですが、そんなぼくでもめちゃくちゃ楽しめる作品でした。というわけで、ここで紹介したいと思います!

『子供の事情』三谷幸喜作・演出

三谷幸喜が作・演出を手掛けた2017年の作品。
本作の舞台は昭和46年の小学校。天海祐希、大泉洋、吉田羊、小池栄子、林遣都、青木さやか、小手伸也、春海四方、浅野和之、伊藤蘭という豪華キャストが小学4年生を演じる。

一見奇抜なアイデアだった“大人が10歳の少年少女を演じる”試みはみごと大成功!クラスに必ずひとりはいたような個性的なキャラクターを、26歳から63歳までの豪華出演陣が生き生きと演じている。
三谷幸喜がかつて10歳だったすべてのオトナたちに贈る心温まる傑作だ。

wowow-三谷幸喜「子供の事情」

『子供の事情』は豪華俳優陣が10歳の小学生を演じている作品です。

舞台は小学4年生の放課後。授業の終わりになんとなく教室に残っている仲良し?10人組のドラマを描いています。

ともかく最初は「子役ではなく大人が10歳を演じている」というインパクトがありますね。かなり不思議な感じで、「ちょっと無理してるなー」という風に見えます。

しかし、ものの数分見続けると、舞台の役者はみんな小学校4年生に見えてきます。不思議なものですね。

なので俳優が10歳の小学生を演じているという面白さは最初のつかみでしかなく、この作品はきちんと内容で勝負している作品です。

舞台やミュージカルが苦手な人にもオススメ

ぼくが舞台やミュージカルが苦手な理由

実はぼく、舞台を見るのはこの作品が初めてだったんです。というのも舞台・演劇というのに偏見があったからなんですね。食わず嫌いで、なんとなく遠ざけている感じでした。

ぼくが舞台やミュージカルが苦手な理由は

  • 演技が大げさ
  • 急に歌い出す演出

の2点です。

なんか演劇って演技が大げさで入っていけないところがあったんですよね。

まあホールでやっているから、大きな声で演じないとお客さんに聞こえないから大きな声と大きな身振り手振りで演じる必要があるんでしょうが、映画とかドラマなどを見慣れていると、それらの演技が少々うるさく感じるんですよね。。

2点目はまあミュージカルが苦手というか。それまでの場面が終わって、急に歌い出す展開が、どう見ていいのかわからない感じがしちゃうんですよね。ミュージカル映画も食わず嫌いで見たことがありません。

舞台演劇は映像作品に比べて場面転換が難しいので、一つの展開としてやっているんだろうと思います。

ただ見慣れていないので、急にテンションが変わる感じにちょっと笑ってしまったり、冷めてしまったりします。

演技を気にせず自然に見れる

ぼくが舞台が苦手なのはなんというか、総じて役者のドヤ感、「どうです?面白いでしょ?」という空気を感じてしまって苦手だったわけです。

そんなぼくでも『子供の事情』という舞台はなぜかすんなり見れました。これは「大人が小学生を演じているというありえなさ」があったからなのかもしれません。

そもそも大人が10歳を演じることなんてできないんだから、「演技は気にしない」という見方が生まれるんですよね。俳優たちをキャラクター的に見れるんです。

もしかしたらこの感覚はゲームのキャラクターを見ている感じに近いかも。

出演者は小学生だけというのもポイントなのかもしれません。この物語には、学校の先生も親も出てこないんです。学校の教室で、小学生だけの放課後の物語なのです。

演者は小学4年生だけなんです。この舞台に出てくる人は全員小学生。最初にそういうルールがあった上で見る舞台なんです。20代から60代までの俳優さんが出演していますが、誰が出てきても小学4年生なんです。

というわけで視聴者としては、彼らを自分たちの脳内で小学生に変換しやすいんですよね。舞台上のキャラクターに自分の小学生の思い出を重ねている感じで見れるんです。

ここに、同じ大人が演じる先生が出てきてしまったら、また別の脳内変換が必要なので、小学生が小学生に見えてこなかったり、変換しにくくて混乱するのかもしれません。

俳優はキャラクターとして見られる。そういう見やすさがある上で、この作品に出演している俳優さんの演技自体はものすごくうまいと思います。

イヤなドヤ感はなく、すんなり入ってきます。「うわー小学生ってこうだよなー」などと共感しながら見れるんです。

よくもまあ、そんな微妙な感じを描けるよなあと感心するエピソードの連続です。

様々なキャラクターがいるので、エピソードにや誰もがどこかしらに共感できるはずです。そして自分の小学生時代を思い出すんですよね。

『子供の事情』は「大人が小学生を演じる」という少々トリッキーな設定がある舞台ですが、だからと言って玄人向けというわけではなく、かなり親しみやすい舞台だと思います。

思春期手前の純粋さ

残念ながら『子供の事情』はまだ映像化はされていないようです。ただ、またwowow放送があるのかもしれないですし、三谷幸喜作品の舞台は結構映像化されているようなので、そのうちDVDやブルーレイが出るかもしれないですね。

この舞台は、直接的に自分の小学校時代を思い出させる力があります。これはやはり設定の力なのだと思います。他のどんな作品を見ても思い出さなかった、自分の小学生の風景が思い出されます。

そういえば、思春期である中高生はそのまま10代の俳優が問題なく演じられるから、思春期を描いた作品はたくさんあります。しかし、その下の小学生となると子役の演技力の問題もあったりして、深いところまで描き出した作品ってあんまりなかったんじゃないでしょうか。

小学生の思春期手前の純粋を思い出すとセンチメンタルな気持ちになって。なんか優しい気持ちになれます。

映像作品化されたら是非手元に持っておきたい名作です。見てよかった。

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