ぼくはサッカー観戦が趣味なんですが、サッカー嫌いな人が「サッカー選手はすぐ痛がるのがダサいからサッカーを見ない」ってよく聞くんですよね。で、サッカーファンとしてもそこを突かれると痛い。
キングカズがこんなことを言っているようです。
まあキングカズに言われちゃあ何も言えねえって思ったりします、、
しかし、しょうがないんです。そういうゲームだから。FIFA国際ルールがそうなっているから。それで全世界で人気のスポーツだから。
ぼくは現状肯定派です。明確にどっちが良いとは言えないですが、どちらかしか選べないと言われたらサッカー選手は痛がって良いと思っています。
痛がらなければ面白くなる?
サッカーファンとして見ている方もあれはノイズのようなもんで、演技で痛がるのがなくなればと思うこともあります。
ただ、あれがあるからエンタメが生まれています。サッカー嫌いが「サッカーだけじゃんあんな演技してんの」って馬鹿にするように、サッカーにしかないんですよ、アレ。
つまり、サッカーでしか見れない。それってサッカーだけの価値じゃないですか。だからいいんですよ。
キレッキレに仕上げたサッカー上手い人たちが痛がる演技をめちゃくちゃする、見方によっては面白いです。
年間何億も稼いでる選手が子供みたいに痛がって、ファールとられなかったらスッと起き上がって何事もなかったように走り出すんですよ。面白いじゃないですか。
これがなくなってしまったら、サッカーだけでしか見られない、いい大人が演技している面白さがこの世からなくなってしまうんですよ。それはもったいない。
水に飛び込んでいるようにも見えるから皮肉を込めてダイバーと呼ばれたりしているね
勝つためのスキルの一つ
もう少し真面目に考えてみても、痛がる演技は必要だと思います。
痛がる演技はスポーツマンシップには反するけれど、勝負事と捉えると絶対にやった方がいい、勝つためには合理的な選択です。
痛がる演技はネイマールを筆頭に昔からブラジルの選手が多いです。南米ではマリーシアと呼ばれ、立派なサッカーの技術として存在しています。
マリーシア(ポルトガル語: malicia)とは、ポルトガル語で「ずる賢さ」を意味するブラジル発祥の言葉である。 サッカーの試合時におけるさまざまな駆け引きを指す言葉でもあるが、国によってその解釈は異なっている。 イタリア語では「マリッツィア」 (Malizia) と呼ばれる。
マリーシア – Wikipedia
サッカーゲームのウイイレにスキルの一つとしても搭載されてもいますから、サッカーの技術として広く認められていると言えます。
痛がればより悪質なファールだったように見せられて、ペナルティが大きくなり演技した側の有利に進めることができます。勝っているときに時間を稼ぐこともできます。
サッカーの環境下では有用なスキルというわけです。やらないよりやった方がいいと考えるのは自然です。
マリーシアは勝つために必要なスキル
マリーシアってトークで話を盛るようなことと似ていると思います。
事実を事実のまま伝えるトークは面白くなりません。そこを芸人が面白おかしく話を盛ったり着色したりすることですべらない話になります。
サッカー選手も痛いのは事実で嘘ではない。その上により痛がった方が試合を有利に進められる可能性があるので演技するんです。笑いを取るために話を盛るのと同じことのような気がします。
なので話を盛るテクニックがすごい芸人たちが、「サッカー選手は痛くないのにすぐ痛がって」とバカにしているのを見ると腹立っちゃうんですよね。たいして変わらんぞと。
怪我の防止、自己防衛
もちろん、演技するのはサッカー選手全員ではないです。ごく一部の選手だけです。
ぼくはリーガ・エスパニョーラの試合をよく見ているんですが、演技で痛がる選手は全体の1割くらいですかね。もちろん本当に演技かどうかはぼくにはわからないですが。
ちょっと前まではあったような「スローで見たら当たってないのに痛がっている」なんて面白いことは滅多にありません。
最近のスロー映像の技術の発達で、選手たちもわかっているのか、減りました。その意味ではエンタメが減ったとも言えるかも。
ぼくが見ているバルサでいうとスアレス、ブスケツあたりは演技しているような気がします。
スアレスは間違いないですね。もしかしたらネイマールに匹敵するくらいの演技派サッカー選手かもしれません。アピール度合いがすごいです。
ブスケツもよくやりますが、中盤で四方から削られるポジションなのでしょうがない気がします。
接触プレイで踏ん張って無理に我慢してしまうと怪我につながります。軽くでも後ろからやられると怪我をしてしまいます。
「サッカー選手はすぐ転ぶ」と言うけれど転ばないと怪我をしてしまうんです。力を逃さないといけない。
つまり転ぶことは自己防衛の一つでもあるんです。自己防衛するために審判にアピールすることも大事なことです。
演技が批判されがちですが、逆に、我慢してしまっては悪質なファールが蔓延する可能性だってあるんです。
審判は人間なので感情があります。相当ひどいファールはアピールしないととってくれない場合もあります。
現にネイマールは演技派筆頭ですが、悪質なファールを相当くらう選手です。
脊椎骨折はつらかった
さいごに、
というわけでカズのニュースを見たのでサッカーの痛がる演技について思っていることを書きました。
繰り返しますがぼくは現状肯定派です。やりすぎる演技は面白くもあるし、演技をしないと怪我をする場合もあるので現状のバランスは良いと思っています。
サッカー選手だってみんなやるわけじゃないんです。やる奴もいるしやらない奴もいる。試合の時間帯によっても違う。それで個性があって、選手を好きになる理由になったりもします。
ぼくはどっちかって言うとやる選手は好きなんですよね。だって人間味あっていいじゃないですか。まあ、相手チームにいるとムカつくけどね。
コメント
考え直してください。ダメなものはダメです。
ここまでのラフプレーを、都合の良い「スキル」という言葉で誤魔化すなら、選手の私生活を攻撃するテクニックも必要になります。そのうち毒を盛る「スキル」を正当化するでしょう。
正論マンさん、コメントありがとうございます!
確かに、W杯アジア最終予選のアウェイなんかは色々工作されるなんて噂もあったような気がしますね。
ただ、毒を盛るなんてところまで飛躍するかは疑問です。犯罪なので…
これはルールの抜け穴、グレーゾーンの対処方みたいな話だと思うので、ルールが改正されればマリーシアもなくなるかもしれませんね。
今のサッカーを見ているとVARがだいぶ機能していて、緩やかに変わっている最中だと感じます。
個人的にはルール改正の話があった「30分ハーフ制でプレイ中以外は時計を止める」のが良いかなと思います。痛さアピールは残るかもしれないけど時間稼ぎは意味がなくなるので、今よりはマリーシアはなくなると思います。
記事の書き方がアレでしたが、ぼくは時代とともに変わっていくサッカーを肯定するっていう感じですかね。肯定できなくなったり、他に面白いものがあったら見なくなるって感じです。
痛がる演技なんて、プロしかやってない。学生はあそこまで演技しない、真剣に走ってる。なんなら、子供みたいに痛がる、って書いてますけど、本当に勝ちたい子供の試合であんなに演技してる奴いない。どちらかというと痛みを我慢して立ち上がってるわ。痛がってる暇があったら、ゲームに集中してほしい。
コケたおかげて勝てた、って試合をあまり見たことないし、そんな試合見ても楽しくない。嘘くさいダイブを見たくてスタジアムに行ってるわけじゃない。
痛いならさっさとピッチを出て欲しい、負けてたらそんなに痛がらないだろ。ダイブしといて、審判がファール取らなかった瞬間に動き出す奴とかまじクソ。いたくなかったんだろ、どーせ。
柳沢とかよくコケてたもんな、点取れないのに。日本は点取れないから、一点取れたらみんなコケてればいいのにね。1人3分こけてれば11人で33分か、楽な試合だ。
たぐちさん、コメントありがとうございます!
「子供みたいに痛がる」の子供は、サッカーしている子供ではなくて、幼児というか、スーパーで買って買って〜って駄々をこねてる子供のイメージでした。ファールとってとって〜って駄々っ子を大人がやってるのが滑稽でエンタメだなと。もちろんそういう選手には多少の軽蔑目線もありますが…
誤解を生み申し訳ないです。
マイアミの奇跡だったかと思いますが、前園選手がフリーキックでわざと転んで時間を稼いだ、という逸話をテレビで見たことがあります。当然そのおかげで勝ったとは思いませんが、勝利への貢献の一つだと僕は思います。キーパーが時間稼ぎでゴールキックをなかなか蹴らなくてイエローをもらう、なども時間稼ぎとして、勝利へつながるプレーで、よく目にします。
これらは痛いから寝っ転がるのと意味は違いますが、時間を稼ぐという目的は同じです。痛いか痛くないかではなく、時間稼ぎが必要な状況なのか、選手は考えていると思います。
なので、これらを無くすためには時間稼ぎの意味がない30分ハーフ制がいいと思うんですよね。