ドラゴンボール世代がワンピースを61巻まで一気読みした結果【死者が出ないのが良い】

漫画

期間限定で少年ジャンプの『ONE PIECE』が61巻まで無料になっていたので、この機会に一気読みしてみました。

売れているだけあってよくできた面白い漫画だなと思いました。ただ、好き嫌いで言うとぼくは好きって言う漫画ではないかなと。

このタイプの漫画だとぼくはドラゴンボール世代なので、なんとなくドラゴンボールと比較しつつ読みました。その辺りを感想踏まえて書いていきます。

物語にはそれほど触れませんがネタバレのようなものもあるので、気にされる方は読まないでください、と言っても無料公開されている61巻までのネタバレです。

ONE PIECEは嫌われている?

なんかONE PIECEって若干嫌われているところもあると思うんですよね。王道すぎて嫌われがちというか。

まあ、メインで売れまくっているものに批判的な立場をとるってのはどんな世界でもあるでしょうが、それが顕著な気がしていました。

肌感覚として、同世代の漫画好きからは、「ハンターハンターは人に薦められるけど、ワンピースは意外と好き嫌い分かれるよ」って言われる感じの印象があります。

ぼくは少年漫画で言うとドラゴンボール世代なのでワンピースは読んできませんでした。漫画を読む機会が減ったし、その中で少年漫画のバトルものを選んで読まないので。

ってわけで今回の限定の無料公開と暇な時間がなければ読まなかっただろうと思います。面白かったら読み進めよう、くらいに思って読み始めたら61巻まで到達した感じです。いや、さすが売れているだけあって面白かったです。

ぼくはバトルものはドラゴンボール、幽遊白書、ジョジョあたりを読んできた世代です。その世代からはなんとなくワンピースが倦厭されているイメージ

あざとさが気になる

ぼくがすんなり「ワンピース大好き!」って言えないのは、どこかあざとさを感じてしまうからなんですよね。

なんだろう、天然なテレビタレントって面白くて魅力ありますよね。それが本当に天然だったら売れますが、もしかしたらこいつは天然な演技をしてるのかも?って疑ってしまう危うさがあるタレントっていますよね。そいつはあんまり好きになれない、これと同じ印象がありました。

あと芸人で言うとチョコレートプラネットっぽいなと思ったんですね。チョコプラって実力があって売れていて面白いコンビですけど、ぼくは面白いと思うけど好きってまでいかない芸人で。

テレビで勝つ方法として芸を選んでいる気がして、そのあざとさ、抜け目なさがあまり好きになれなくて。

チョコプラは子供も取り込めるリズムネタだったり、モノマネっていうテレビで使いやすいキャラクターだったり、これがテレビにハマるっていう必勝法から逆算して自分たちの道を決めている感じがします。

テレビで売れることが目的だから、その目的から逆算して結果を掴んでいるのは素晴らしいとは思うんですが、、

これがやりたい、これが描きたい、があった上での微調整として必勝法を利用するならまだわからないでもないけど、なんか中身がなくて必勝法から逆算して作った芸って気がしていて。

この感じに似たものをワンピースにも感じたんですよね。

チョコプラディス

ワンピースの物語で、目的に対する障壁の作り方だったりクライマックスで重い過去編を差し込んでくる感じとかにあざとさを感じました。その上トゥーマッチな気がしたんですよね。

逆境を多く設定すればその反動は大きくなって突破した時の感動もひとしおですが、逆境の一つ一つのディティールが甘い感じで。巨大骨に潰されて動けない、ギリギリになってようやく動き出して勝つ!みたいなね。

なんか「はい、ここに逆境設定しましたよー」って風に見えたんです。感動のための逆境ありきになってしまっていて、物語の転がりとしては不自然だなって。

こういった気になるあざとさと、とはいえ結果はどうなるんだろうっていうワクワク感との間で揺れ動きながら読み進めました。気になりつつも61巻まで読み続けられた時点で面白い作品だったと思います。

ただ、本当にワクワク感があって夢中になれる作品ってあざとさに気がつかないので、やっぱりちょっとぼくは手放しに好きな作品!とは言えないかなって思いました。面白い作品、って感じです。

もちろん、フィクションであって作り物なので演出してわざと感動させるために作っているのはなんでもそうですけど、、、結局はぼくの好き嫌いですね。

一回「おかしくね?」って思うと気になる。それが何度かあったから、のめり込まずに一歩引いて読んだ感じ

ルフィに感情移入できない問題

友情・努力・勝利を掲げる少年ジャンプですが、努力の部分が弱く、よくあるバトル漫画と同じように才能の部分がめちゃくちゃ大きいバトルものって印象がありました。

ドラゴンボールもそうなんですけど、バトルものだから敵がどんどん強くなる上で主人公たちも成長していく、その道中で主人公ルフィの才能が暴かれ「やっぱ才能じゃん」のフェーズがありました。

これには、少年漫画の限界は感じてしまいますね。ほんとにただ平凡な少年が頑張った、みたいなバトルものってない気がします。知らんけど。

なのでここにケチをつけるつもりもないんですが、どうしても主人公ルフィに対しては感情移入できません。才能ゆえ超越している感じがあって人間味がないんですよね。

ルフィは海賊王になるっていう強い目的意識を持っていますが、序盤で死にそうになったときにはなぜか笑顔でスッと諦める謎の潔さを持っていたり、なんだかよくわかりません。ゴーイングメリー号をどうするかっていうウソップとのケンカも、ここまでルフィの人間性があまり見えてこなかったため、仲間同士が強く反発し合う感じがすんなり入ってきませんでした。

まあ、主人公は自由奔放な性格にした方が物語上動かしやすいってのがあるんだろうなと思います。運とノリの行動で成り立っているのでドラマが作りやすいはず。

序盤は勢いだけで行動してしまってミス、それが障壁になってそれをクライマックスには打ち破る、みたいな展開が作りやすいですね。逆にいうとそればっかりで飽きてしまうところがありました。

物語の都合上、少年漫画のバトルもの主人公はこういう性格になってしまうんだろうなと思いました。その上ではやっぱり王道と言える気がします。

ドラゴンボールも悟空には感情移入できない。やっぱりMr.サタンとかが人気なのわかる。ワンピースならウソップかな?

パワーインフレとの戦い

バトルものの漫画で避けて通れないのが強さのインフレとの戦いですよね。前回よりも弱い敵を出すわけにはいかないので敵はどんどん強くなる、反則みたいな能力も出てくる、ので主人公たちもパワーアップ、を繰り返していく結果、伸びしろがどんどんなくなっていきます。

このパワーインフレのせいか、ドラゴンボールなんかは主人公の悟空以外は戦力にならず、物語終盤はどんどん殺伐としていった印象があります。

ワンピースはの場合はパワーインフレをうまく回避しているなと思いました。

ギャグ要素と仲間の活躍

ワンピースは真剣バトルの中にもちょっとしたギャグ要素があったりして、バトルがそこまで殺伐としません。家の隙間に挟まって出れないから戦えないとか、なんかノリの部分で勢いで乗り切る面白さがあって漫画的に楽しめる感じがしました。

また、戦力的には劣るウソップやナミをうまく活躍させ、仲間たちが最後まで一緒に冒険できる体制を作っています。道具を使ったり頭を使うことで強い敵とも渡り合う構図で、単純な強さとは別の方向で存在感を出しています。

逆に言えば、仲間たち全員を活躍させるために当てがう敵も増えていくのでストーリーは長くなりますね。

アラバスタ編のバロックワークスのナンバーズとの戦いはもう長すぎて辛かったです。スマホで隙間時間に読める便利さがなければ多分離脱してたと思います。

七武海とか四皇とか数字出されるとゲンナリする。最初に出てきたこいつは一人目だから最弱なんだろうし、こんなのがあと何人いるんだよ、、ってなる

能力バトルだからこその柔軟性

どちらかというと武道の要素が強かったドラゴンボールは、敵を強くするには宇宙人とかを出すしかなくなりました。

その一方で、ワンピースは能力バトル。悪魔の実で力を得られるなんでもありの構造なので新しい要素を手軽に足していけます。この辺りは物語を広げやすいのでパワーインフレを回避できますね。

っていうか能力バトルってジャンケンみたいなところがあるのでバトル漫画としては便利ですね。相性をうまく使えます。

ふと振り返ると、ただ殴って強いとかエネルギー弾だけみたいな世界観だけでやっていたドラゴンボールはすごいなと思ったりします。

ドラゴンボールは好きな作品だけど、正直なところ、ワンピースみたいに今ゼロから読み始めたら好きにならなかった気がする

いつ、どんな状態で出会ったかっていう問題だな。まあそれが世代ってことなんだけど

死者が出ないのが良い

ワンピースを読んでみていいなと思ったのは「死なない」ってところです。敵を倒しても、その敵は死ぬことはないんですよね。気絶して戦闘不能状態、それで勝ちって感じです。

こういうファンタジーなバトルものって言ってしまえば殺し合いです。敵は死ぬのが普通。なので相手をとにかく悪いやつにして勧善懲悪の世界観でやっていくしかなかったりします。

しかしONE PIECEの世界では死に至らないので、物語から退場者はなかなか出ません。悪いやつも再起して扉絵でその後の動向が描かれたりしています。

これがめちゃくちゃいいと思いました。そしてそれが身を結んだインペルダウン編がめちゃくちゃよかったです。これまでの敵を味方につけるアツイ展開でした。

その一方で過去の人たちは死にまくりです。ルフィ以外の仲間たちはほぼほぼ仲間や身内の死を乗り越えてきた人間です。

登場人物はなかなか死なないため、過去の死が重くなりますね。このバランスがちゃんとしていてとても良いです。

誰も物語から退場することなく進んできた物語だったからこそ、ゴーイングメリー号の展開は泣けました。頑なに死を描かなかったバランスできて、船が死ぬのか、、っていう。

さらにその先、作中で初めて?死んだのがルフィの兄であるエースだったところにドラマを感じました。この演出はすごい。

人の死は感動するっていうのをうまく散りばめるのがフィクションだったりしますよね。悪い言い方をすれば、人の死を利用すれば人を簡単に感動させられるわけです。

物語上死ぬ立ち位置のキャラに感情移入させればさせるほど死の重みが増します。これって作り手からすれば、死から逆算して作れば案外簡単に作れると思うんですよね。

テラフォーマーズとかね。どんどん死ぬショッキングな部分を売り物にした感じです。

それに気がついてから「人の死が出てくるエンタメは感動するけど、作るのって意外に簡単なんだろうな」とか思っていました。そんな気持ちに対しONE PIECEの死の扱い方は他にはない素晴らしいものを見せてくれました。

とはいえアラバスタ編ではペルが実は死んでいなくて、あれで死なない世界観ってなんなん?って思ったりはしました。ギャグ漫画的、両津勘吉的な世界観なん?って。

なので手放しに褒めるものでもないですが、バトルものはバンバン死にまくる漫画が多い印象なので、この部分を繊細に描いているのはすごいなと思いました。

ドラゴンボールの場合は天国を設定して死の概念をなくすって方法だった。あれはあれでファンタジーの世界としてまとめた感じ

さいごに

というわけで、ワンピースを61巻まで一気読みして考えたことを書いてきました。

少年漫画って言わば、やめられない止まらない状態になるスナック菓子のようなものだと思うんですね。そこそこおいしいものを食べつつけてしまう状態になるもの。

その意味ではワンピースはスナック菓子の量が多いです。ぼくにとっては離脱するタイミングも何度かあったものの、なんとか食べきれた、くらいの感じでした。

繰り返しになりますが、スマホで、さらに無料で読めたことが大きかったと思います。でも読み続けられたからこそ、死の表現において他の漫画にはないワンピースの良さを知れてよかったです。

ドラゴンボール世代でワンピースは読んだことがないって人も、まだ無料期間なのでぜひ一度読んでみて欲しいです。なんせ無料なので。

61巻無料って、金額にして3万円くらいなので、3万円もらったの同じですよ。しかも61巻はめちゃくちゃキリが良いところで終わります。とりあえず読みましょう。

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