いよいよ12月2日に迫ってきたM-1グランプリ2018。
ぼくはM-1を存分に楽しむために、敗者復活戦に進んだ芸人の準々決勝のネタを全て見ました。
その中で、とにかく強く印象に残った芸人がいました。
金属バットというコンビです。
M-1グランプリ2018の準々決勝のネタを見てからというもの、彼らの漫才を見まくっています。
というわけでここでは、金属バットという芸人さんの紹介をしようと思います!
金属バット プロフィール
金属バット(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)
2006年4月、高校の同級生である2人が大阪NSCに入学しコンビ結成。
大阪NSC29期生。同期は見取り図、吉田たち、コマンダンテなど
金属バットの漫才
金属バットの漫才はYoutubeにいくつか上がっています。
今はちょうどM-1の時期なので、GYAO!でM-1グランプリ2018の予選での漫才が見れます。これがめちゃくちゃ面白いんです!
見た目のインパクト
上の画像もそうですが、まず最初に見た目にインパクトを感じますよね。いやーキャラが濃い!なんか危ない感じ、世捨て人感があります。
特にツッコミの友保さんの容姿に目がいきますね。さらっさらの長髪にギョロついた目、猫背、出っ歯。危ない人感満載です。キャラが立っているので、初見では「この人がボケなのかな?」と思いました。
ボケの小林さんは笑顔で悪いことを普通にやれる人という感じがします。小ぎれいにしている他の若手芸人と違って、スーツのサイズ感とかピシッとしてない感じで冴えないサラリーマンのようです。が、坊主頭なので一気にヤクザ感が増す、という感じ。
この2人、まあテレビ的な華はゼロですね。
ただ、華はなくとも面白い人たちという感じはプンプンするんですよね。この見た目と雰囲気から、出てきたときの笑い飯の雰囲気を思い出しました。
コテコテ関西弁のしゃべくり漫才
M-1グランプリでは漫才コントが多い印象がありますが、そんな中で金属バットはコテコテの関西弁でのしゃべくり漫才をしています。面白いやつと面白やつが立ち話をしている、という純粋な漫才の形です。
漫才コントは変な人を演じるというボケの形なのでネタによってどうとでもなりますが、金属バットはしゃべくり漫才なので2人のキャラクターがそのまま出ています。
で、そのまま人が面白い。面白い2人がいるという感じ。なので「この面白い人は次どうボケるんだろう、どう突っ込むんだろう」と、人に興味が湧くんですよね。
見た目のインパクトから入ってしまいましたが、その見た目に引っ張られず、しっかりネタの方が強い漫才をしています。
特に友保さんのツッコミはこれまでに見たことがないような感じがします。なんか新感覚です。
人を食ったような感じ。人を舐めている感じがするけど、そこまでは行っていないギリギリのバランスでツッコミつつボケつつ自由にやっています。
「お後よろしいんちゃいまっかのう」で締める漫才なんて初めて見ましたよ。
小林さんのひょうひょうとしたボケも発想が面白いですね。コントを「楽している」とか、落語を「大昔に誰かが作ったネタ」とディスるのがめちゃくちゃおもしかったです。目線を変えて言い換える発想のセンスがすごい。
金属バットの自然体のおもしろさ
金属バットの漫才でなんでこんなに笑えるのかなーと考えていると、「自然体」という言葉に行き着きました。
金属バットの漫才はテンションが普通でいいんですよね。ちょっと尖っているその辺の大阪の兄ちゃんがしている立ち話の面白いところを覗いているという感じがします。
M-1の漫才ってめちゃくちゃ練習量を感じさせるものだったり、本当に練りに練って緻密に考えてきたんだなって思わせるものだったり、すごいものが多いです。それらは商品として優秀なものという感じがします。
そんなM-1でよく見る漫才に比べると金属バットは荒削りなものの良さがあります。漫才は上手いと思うんですが、荒削りと言いたくなる感じ。未だパッケージされていない天然物という感じです。
M-1でよく見る漫才がM-1という大会の傾向に合わせて作り上げられたもの、それに対し金属バットの漫才は自分たちが面白いと思っているものをM-1に合わせてきた、という感じです。
これは同じようでちょっと違います。
M-1という大会に合わせ過ぎると、みんな同じような形になっていって、細かいところは違っていても大枠では似たようなものに見えてしまうんですよね。
そう見えてしまったが最後、「演じているな」という面白みのなさや予定調和さを感じてしまって、途端につまらないものに見えてしまうんです。
その点、金属バットはM-1に合わせすぎず、自分たちが面白いと思うものを自分たちでおもしろがってやっている。だから演じていると思わせない臨場感があって面白いんです。
ボケはボケだから言ってしまえば笑いのためにでっち上げた嘘なんだけど、本当にそう思っていると感じさせる嘘のボケだからめちゃくちゃ面白いんですよね。
そのようにして作られているから、最近の漫才の風潮に媚びていない、テレビにも媚びていない独自のおもしろさを持ったものが出来上がっているんじゃないかと。そんな自然体の彼らの漫才が新鮮なので笑ってしまうんだろうと思います。
金属バットはM-1グランプリ2018の敗者復活戦に進んでいます。ぜひ決勝に行って欲しいです!!
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