2018/19シーズンの最初のクラシコが先ほど行われました!
今回はバルセロナホームのカンプノウでのクラシコです。バルセロナはルイス・スアレスのハットトリックなどの活躍で、なんと5-1で宿敵レアル・マドリードを粉砕。
ここでは、試合を見たばかりで未だ興奮覚めやらぬバルサファンの僕がクラシコの雑感を書いていこうと思います。
11年ぶり、メッシ、クリロナ不在のクラシコ
今回のクラシコ、実は特別なクラシコなんです。
というも、今回のクラシコ、メッシとクリスティアーノ・ロナウドがいないんですね。この2人が不在のクラシコはなんと11年ぶりのことらしいんです。
つまりバルセロナもレアル・マドリードもエースがいないわけです。
レアルのエース、クリロナは今シーズンからユベントスへ移籍しています。
これによってシーズン最初の3試合くらいはクリロナの陰で献身的な働きをしていたベンゼマが自由を得て好調。チームは新しいロペテギ体制でポゼッションサッカーでうまくいっていました。
が、ここへ来てずっと勝てていません。点が取れなくなってしまったんですね。クラブ史上最低の得点力と言われています。なんと8時間1分の無得点記録を樹立しているようです。>>クラブ史上最低の得点力…レアル・マドリー、8時間1分の無得点記録を樹立して敗戦/リーガ第9節
クリロナ不在が大きく影響しているとしか思えないですね。
一方バルセロナもメッシが骨折してしまって出場することができません。前節9節のセビージャ戦でメッシは負傷交代。前腕の骨折で3週間の離脱です。
リーガの1位を争う試合だったセビージャ戦でも得点し、バルサになくてはならない存在であるメッシの不在というのはバルサにとっては大打撃です。
そんなわけで、両エースが不在でちょっと地味な感じもするクラシコになりました。
2018/19シーズン10節 バルセロナスタメン
メッシ不在というわけで、右のアタッカーにはメッシと同じく左利きのアタッカーのラフィーニャが入りました。
ラフィーニャは、メッシ不在で迎える初めての試合だったチャンピオンズリーグのインテル戦でもメッシの代わりに入り、1ゴールの活躍。というわけでクラシコでも同じ布陣になりました。
中盤には新加入のアルトゥールが入り、よく動いてパスを散らしていました。今シーズンのスタメンはほとんどこうなるような気がしますね。それくらいアルトゥールはよかったです。
バルサは守備時には4-4-2でした。アルトゥールがスアレスとともに最前線でラフィーニャとコウチーニョが中盤サイドに降りてくる形です。
前半2-0 バルサの一方的なゲーム
お互い慎重に入った前半でしたが、早くも点が動きました。アルバの抜け出しからコウチーニョが合わせてバルサが先制。前半11分でした。
その後、スアレスがペナルティーエリア内でヴァランに倒されたのがVARの判定でPK。これをスアレスが冷静に決めます。
前半はバルサの一方的なゲームだったと言っても良いと思います。特に2点目以降はバルサのかなりのポゼッションゲームでした。
バルサの選手の距離感がよく、失ってからの切り替えも早かったのでレアルにボール保持させていませんでした。これはアルトゥールとラフィーニャが効いていたように見えました。
アルトゥールは本当によく言われているように、シャビみたいな動きでボールを引き出しパスを出しまた動き、レアルの選手に捕まえづらい動きをしつつ中盤を作っていました。
レアルの屈強な選手に詰められても、パスだけでなくドリブルで持ち運べるのも素晴らしかったですね。「パスコースがなけりゃ自分で持ってパスコース探すよ」という感じ。初めてのクラシコだと思うんですが、めちゃくちゃ落ち着いたプレーでした。
メッシのところに入ったラフィーニャも活動量豊富でよかったですね。全然違うなと思ったのがやっぱり守備面です。
メッシの場合は守備をしないので、右サイドはラキティッチの仕事が多くなります。しかしラフィーニャは守備も頑張るのでラキティッチの負担がかなり減っていたんじゃないかなと思います。
というわけで、アルトゥールとラフィーニャのおかげで、いつのもバルサよりも中盤がより状態よくプレーできたのでポゼッションサッカーがうまくいっていたように見えました。
特にブスケツが「いいときのブスケツだ!」という感じがしましたね。いつもより仕事が少ないからこそ、余裕のあるブスケツらしいボール保持が見られたのかなと思います。
後半3-1 レアル盛り返すが、続かず
後半頭からレアル・マドリードのロペテギ監督が動きました。
ヴァランを下げてルーカス・バスケスを入れ、3バックの布陣にします。これでバルサのポゼッションゲームだった試合がガラッと変わりました。守備の要のヴァランを下げるなんてかなり思い切った采配ですよね。
このシステム変更でマルセロとバスケスが高い位置で両ワイドに張り、そこからチャンスが生まれレアルが後半開始早々5分に一点返します。
これで試合が裏返ったような形になりました。今度はレアルのポゼッションゲーム。守備時に4-4-2のバルサはレアルのビルドアップを捕まえられなくなりました。
3バックの真ん中に入ったカゼミロから、両ワイドに良いロングボールが入っていましたね。中盤にいると全く攻撃センスがない感じのするカゼミロが、最終ラインに入って良い展開を生むボールを蹴っていたのでちょっと驚きました。
試合は前半から打って変わってのレアル・マドリードペース。しかし、ここでレアルが追加点を奪えなかったのが試合を決めましたね。
レアルがバルサのゴールに迫ったシーンは2度3度ありましたが、結局ゴールできず。いまのレアルの得点力不足を思わせるシーンの連続でした。まあ、見ているときはハラハラしたんですけど。
レアルがチャンスを決めきれず、ただバルサもポゼッションされてしまうのは変わらずという展開で、バルベルデが動きます。
ラフィーニャに代えてセメド、コウチーニョに変えてデンベレを投入。両ワイドの選手が変わりました。すると、その采配がピタリ。
カウンターのチャンスからセルジ・ロベルトのクロスをスアレスがなんかすごいヘッドでゴール。その後もセルヒオ・ラモスの処理ミスを拾ったセルジから出たボールから抜け出してキーパーと1対1のチャンスを決め切ります。
スアレスって体はデカイし強いし野生児だしブルドーザー感のあるプレーもしますけど、やっぱり何と言ってもこの決定力ですよね。パワーで抜け出した後の名手クルトワとの1対1をふわっとソフトタッチのループで決め切るあたり、本当にすごい。
スアレスはメッシ不在の責任感と3人目のお子さんが生まれたお父さんパワー爆発で、ハットトリックの大活躍でした。
その後もデンベレが懐深いドリブルで抜け出してクロス、代わって入ったビダルが駄目押しのゴール。5-1でバルサ完勝となりました。
後半はレアルのシステム変更で慌てたバルサでしたが、ポゼッションされるならされるでカウンターのチャンスを狙う、という定石通りの攻撃がきっちり決まった感じでした。
結局決め手は決定力?
さて、というわけでメッシ、クリロナ不在のクラシコはバルセロナが5-1で完勝となりました。結果にはかなりの差が出ましたが、やはりクラシコ、それほど力の差はなかったなあと思います。
とはいえ大きな差があったのは決定力の部分ですね。ここが明暗を分けました。
枠を外したベンゼマのヘディングやモドリッチのシュートがポストを叩いたシーンなど、決定的なチャンスがあったのに決めきれなかったのがとにかく大きいかったと思います。
後半立ち上がりのレアルのあのムードなら、本来あと2点くらい取れたような気がします。しかし、決めきれず逆にバルサがカウンターでチャンスを掴んだという展開でした。
スタッツで見るとこの試合のポゼッションはバルサ53%、レアル47%でほぼ互角。シュート数はバルサ11、レアル13。ここもあまり差がない気がしますが、枠内シュートになるとバルサ8、レアル4となります。レアルの決定力不足かここに現れているような気もしますね。
この敗戦を受けてレアル・マドリードは早くもロペテギ監督の解任を発表したようです。後任はコンテ監督。うーん手強そう。
しかし、ちょっとロペテギがかわいそうな気もする敗戦だったと思います。
ロペテギの手腕で後半はバルサを押し込むことに成功したわけで、その上であのモドリッチのシュートがあと10cm右だったらとか、そんなほんのちょっとの差でゴールが生まれて流れが変わった可能性もあります。レアルが何もできなくて大敗したという結果ではないんです。
監督の采配でポジティブな方向へ試合の展開を変えることができても、最後の最後で点を取るのは選手なので、監督にはどうすることもできないですよね。厳しい世界だなと思います。
まあなんにせよバルサファンのぼくにとっては2018/19シーズンのクラシコは嬉しい大勝となりました。10節を終えて早くも宿敵レアル・マドリードと7ポイント差です。
アルトゥールの加入でよりバルサっぽくなってきたし、バルセロナはなかなか良いシーズンになりそうですね。
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