5月17日放送のワイドなショーが面白かったです。
EXITの兼近が初出演し、若い世代からの意見を言っていたのがよかった。
「今の若者はわらばん紙を知らない」っていう話題から、兼近が
「今までテレビに出ていた中堅世代がつかう例え話の笑いは若い世代からすると元ネタを知らないから笑えなかった、愛想笑いで笑っていた。
ドラゴンボールとかプロレスとかプロレスとかプロレスとか。
だから若い世代がお笑いから離れていったんじゃないか?
ぼくらは若い世代に向けた笑いをやっている」
みたいなことを言っていたんですよね。
これってダウンタウンのデビューの時と同じような状況かなって思ったんです。
ダウンタウンデビュー時は漫才ブームの後の焼け野原で、劇場で漫才しても高齢者相手ばかりで全然受けなかったと松本人志がデビュー当時の状況を話していたことがあります。だから、若い客が来るところを選んで漫才していたっていう話を本か何かで書いてあったような。
その後、ダウンタウンは若者に強い影響を与え、それを見た当時の若者世代(今の40~30代あたりまでですかね)がその後の笑いを支え、中堅芸人がとにかく増えて、どの番組も中堅芸人ばかりが出ていたっていう状況になりました。
その結果、さらに若い世代は今のテレビのお笑いから離れた、というのは当然の結果だと思います。
そして、今の若い世代にはyoutubeなどの他のエンタメがたくさんあるのでそっちに流れてテレビの力が失われていった、っていう流れはあるんだろうと思いますね。
例えばモデルとか若い女性とかはどんどん出てきますが、それを回すMCは変わらず実力派の中堅芸人がやっています。なので全体的な笑いの構図としてはやはり今の若者からは受け入れられないものになって錆びついていってしまったのだろうと感じました。
これは何も、若けりゃいいって問題でもないです。若者は尖ったものを欲するし、そうなると世代の結びつきというのは大事になります。
なので、どこをターゲットにしているかっていう話だったり影響力の強さがどこまで及んでいたかって話ですね。
割と単純な世代論なのだと思います。「世代だからそうだよねー」っていう。
でも、ここにちょっと歪みがあったのは高齢化社会のような気がしています。
確か、日本で一番多い世代って40代なんですよね。キムタクとか貴乃花の年だったと思います。そのくくりでアメトーークは何度も企画をしていた記憶があります。
単純に人数が多いので見る人も多い、視聴率も取れる。同じものを見てきた世代なので、ちょっと角度を入れたプロレスとかドラゴンボールとかの例え話も通じて、「これが通じちゃうんだ」的な感じで面白かったりする。
中堅芸人が自分たちの世代だけを笑わせていたのかも、ってちょっと思いますが、それはダウンタウンと比べたらって話だと思うので酷な気がします。いわゆる第7世代は中堅芸人をリスペクトして笑いを作っている芸人ばかりだと思うので。
っていう感じで、今の笑いが出来上がっていたんだろうなと思います。なんとなくですが、ダウンタウンの影響力が強すぎたところに日本の人口爆発がちょうどよく来たってこともあってダウンタウンチルドレンが増えて、彼らがスクラム組んで戦っていた、って感じでしょうか。
でちょっと、さすがにスクラム組みすぎていたのかもしれませんね。
テレビがようやくこの状況の危うさに気がついたため、今はお笑い代7世代と括ってテレビにバンバン出しているんでしょうね。
まあだからと言って特別でもなくて、中堅芸人が上がったあともネタ番組ブームが来ていたりとか色々チャンスはあった上で生き残っていくものだと思うので、第7世代もふるいにかけられるのだと思いますが。
兼近の今回のワイドナショーでの発言ってまあ中堅批判とも取れますけど、それに対して松本人志は何か思うところはなかったのかなって思いました。「あ〜俺らんときと同じやねー」みたいなことは思ったんじゃないかなと。
兼近が若い人が使っている言葉を調べて漫才に取り入れているって言っていましたけど、松本はむしろ若い人たちが使いたくなる言葉を次々と生み出して笑いにしていた存在です。
その松本人志が日本の笑いの「中堅芸人増えすぎた問題」について何を思っていたのか、もう少し深いところまで話してくれたら面白かっただろうなって思いました。
アメトーーク に対してラジオ『放送室』をやっていた当時は仲良し批判をしていたりしましたが、今の松本は笑い業界を背負って立っているところがあるので、また考え方も違っているんだろうと思います。
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