さてさて、お笑いの祭典『キングオブコント2018』が行われました。
にゃんこスターからもう1年経ったか、という感じがします。1年短い!
全部のネタを見たので、ここでは僕の個人的な感想を書いて行きたいと思います。
新しい試み
キングオブコント2018では新しい試みがありました。それは「決勝進出の10組が当日発表される」という試みです。
何度かCMを見ましたが、大胆なことしますよね。前回あたりまでは、ネタの順番が当日発表というので騒いでいたのに、今度は当確発表まで当日なのかと。刺激が行くところまで行った感じがします。
これ、テレビ的には盛り上がって良いですが、芸人さんからすると最悪ですよね。可能性のある32組の芸人は、決勝の当日まで緊張感が続きます。ネタをやるつもりで体調を整えなければならない、でも出場できないかもという状況です。
例年通り発表しておいてくれれば、その日のスケジュール入れられるのに、と事務所は思っていそうですね。
審査員は例年通りのメンバー
今回も審査員は、松本人志、大竹一樹、三村マサカズ、日村勇紀、設楽統の5人でした。
ぼくは去年の『キングオブコント2017』でこの審査員5人に「審査よりも自分のコメントでの笑い」というスタンスが若干あるように見えて、なんだかなあと思っていました。審査の緊張感が伝わってこなかったんですよね。
ただ、現役でネタライブをやっているさまぁ〜ずとバナナマンの2組と大御所松本人志が審査員ということで審査員の格はあります。テレビ的なポップさもあるので、大会の仕組みは変えられても審査員は変えにくいんでしょうか。彼らがいると大会自体盛り上がりますしね。
今回は週刊誌にすっぱ抜かれたバナナマン日村いじりが面白かったです。
キングオブコント2018 1発目
さて、じゃあここからは各コンビのネタの感想を簡単に書いて行きます。今回は全体的にレベルが高かったんじゃないかなと思います。どのネタも面白かったです。
やさしいズ 「時限爆弾と清掃員」
新しいキャラクターが出て来たなと。ゆるキャラ感がある愛されヤンキーという感じでしょうか。一番手じゃなければよかったはず。振りの部分での会場の静けさを感じました。
肩の力が抜けているキャラの笑いなので、作り込んだ緻密なコントの後にきていたらにゃんこスター現象あったかもなあと。やっぱりトップバッターはかわいそうですね。
設楽85 日村87 三村81 大竹84 松本82 合計419
マヂカルラブリー 「傘泥棒のループ」
最初のつかみまで遅かったけど、そのつかみが最高で面白かったです。設定がタイムループという、コントでは新しい感じでスタイリッシュなのに、地味な争いで「何やってんだ感」があって笑ってしまうネタでした。
高い声のツッコミと低く変な声のコントラストもよかったなあと思います。
設楽90 日村90 三村85 大竹90 松本88 合計443
ハナコ 「犬を擬人化」
初見。2人だけでまず面白かったです。動物の擬人化って『ごっつええ感じ』のコント時代からあるわりかしベタなものという感じだけど、この切り口は見たことなかった気がします。コントがペットあるあるになっているので面白かったですね。発想ではなく切り口の勝利という感じです。
3人目が中盤以降に出てくるという展開力もよかったです。
設楽93 日村94 三村90 大竹94 松本93 合計464
さらば青春の光 「熱血塾講師」
暑苦しい面白さをちょっと目線を変えて笑いにしていました。情熱が悲しい笑いになっているところがよかったですね。悲しみもある笑いは心に残る面白さがあります。
ドアの曇りガラスにうっすら透けている顔にめちゃめちゃ笑いました。
設楽92 日村91 三村92 大竹94 松本94 合計463
だーりんず 「後輩に奢りたい」
人間関係の細かいシーンのうまくいかなさを笑いに。演技はうまい気がしたんですが、店員をやっているボケの人の「セリフを言っているだけ」感を感じてしまってもったいないなあと思いました。
そんなこともあるだろうなあという設定が面白かったですね。
設楽88 日村85 三村92 大竹92 松本80 合計437
チョコレートプラネット 「監禁」
じわじわくるしつこい笑い。一つのボケで最後まで持たせるという潔さがありましたね。
個人的にはもう一つ展開して欲しかった派です。二人の絡みがないのに笑いが増幅していく凄さがありましたが、最後の二人の絡みでまた別の方向にドカンとした笑いがあるんじゃないかと期待してしまったんですよね。
設楽93 日村93 三村97 大竹98 松本97 合計478
GAG 「真面目君とギャル」
モテない真面目人間の悲しみが面白かったです。まあ痛いほど気持ちがわかるので。
ツッコミの声が低音で気持ちよかったですね。このツッコミが入ることによってドタバタコントが劇画調になる感じがして面白かったです。
設楽87 日村84 三村84 大竹92 松本90 合計437
わらふぢなるお 「うざい新人コンビニ店員」
めんどくさいタイプの人間を最大限までデフォルメして笑いにしていました。思わず、小学生の時に先生の質問に全て「なんで?」ととぼけ顔で返す悪ガキを思い出しました。
めちゃ面白いコントでしたが、最後のオチだけちょっとなーと。演出があったので期待してしまいました。ここまでは良かったのに!
設楽90 日村92 三村95 大竹96 松本95 合計468
ロビンフット 「結婚相手はおばあちゃん」
初見。ボケのおぐはR-1決勝進出者のあの人ですね。
どんどんボケが足されていくシンプルな笑いです。「こうなるんだろうなあ」と展開は予想通りでボケが足されていくだけなんだけど、これがめちゃくちゃ面白かったですね。演技もとてもうまくて、すんなり見れました。
ぼくはネタでは一番笑わせてもらいました。
設楽92 日村93 三村89 大竹94 松本96 合計462
ザ・ギース 「サイコメトラー」
サイコメトラーというトリッキーな題材ですが、「残留思念を読むって、都合よく犯人のことだけ出てくるかね」という「確かにそうか!」と思わせるところが笑いになっていて最高。
ここからもう一つ展開があって、最後はめちゃくちゃ面白かったです。あのおじさんの顔のまま終わってくれたらなーと。
設楽92 日村90 三村91 大竹93 松本92 合計458
1本目雑感
いやー今回は本当にどれも面白かったですね。どの組も2本目が見たいなと思いましたね。ぼくの好みだとマヂカルラブリー、ハナコ、さらば青春の光、GAG、ロビンフット、ザ・ギースあたりでした。まあ、絞れないです。いやー面白かった。
キングオブコント2018 ファイナル(2本目)
ハナコ 「浜辺で鬼ごっこ」
いつの間にかおかしな世界観に入っていくコント。動きと展開の面白さがありました。1本目と変わらず、3人目をうまく使っていました。
2人でコントを作って3人目はボケのカードの一つとして持っておく、という形はこれまでなかったんじゃないかなと思います。普通は3人目がもったいないと感じるんじゃないかと。この潔さは4年目で若手ということも良さでしょうかね。
設楽97 日村94 三村90 大竹96 松本95 合計472 総合936
わらふぢなるお 「変な奴と喧嘩」
ゆったりした間でボケていくので、一つボケに対して期待してしまいますね。「大きなボケ来る?」→「来ない」が続いた印象です。単発のボケが繋がっていかない感じがありました。箇条書きみたいな感じです。
1本目の良さから来る期待値があっただけに、ちょっともったいない気がしました。
設楽93 日村89 三村89 大竹93 松本90 合計454 総合922
チョコレートプラネット 「意識高い系大工」
設定は素晴らしかったと思います。ガテン系の大工と最先端技術とか好きな意識高い系の離れ具合があっただけに良かったですね。マックを定規にするという最初のつかみは面白かった。
ただ、ツッコミがないので笑いづらい感じになってしまってるのかなあと思いました。面白いボケが素通りしてしまってる感じですね。
「いや、マック使わないんかい!」みたいなシンプルなツッコミがあったほうが笑えたんじゃないかなと。弟子の方が親方をを褒める役になっていたので、ボケの紹介みたいな感じになっていて、笑いどころのキレが足りなかったような気がします。意識高い系大工とお客さんという設定で見たかったです。
設楽90 日村90 三村88 大竹88 松本84 合計440 総合918
キングオブコント2018雑感
というわけで優勝はハナコ。初見でしたが、きちんとしたコントで実力もあって、2本とも面白かったので優勝は妥当だなという感じです。わらふぢなるおもチョコプラも2本目がもったいなかったですね。
いやー今回はどのネタもしっかり笑えた感じがします。ファイナルに上がる3組のラインが拮抗していて、点数がそのレベルが拮抗していたことを表れています。
さらば青春の光が後1点差でファイナルに進めなかったわけですが、多分彼らは2本目もいいネタを持っていただろうなという風に感じるので残念でした。
ロビンフットもたった2点足りないだけで残念でしたね。きちんとしたコントでベタなのに笑えるという感じだし、初見だったので、ぼくは2本目も見たかったです。
去年のように5組がファイナルに上がれるという仕組みなら、結果は違ったかもなあと思います。
やっぱりファイナル(2本目)は、その組の”2番目に自信のあるネタ”なんだろうなという感じです。なので1本目よりも盛り上がらないんですよね。もちろん期待値が上がっているというハードルの高さありますけど。
笑いの賞レースでは、このファイナルの残念感はどうにかできないのかなあといつも思いますね。
逆に言うと、自分たちの1本目のネタの笑いを超える2本目ができれば優勝できるということでもあります。ハナコはそこに当てはまったのだろうなと思います。
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