<数年前に旧ブログに書いた記事です>
おっさんが新しいものになかなか手を出さないのは、自分が変わらなきゃいけない状況に置かれるのが面倒くさいからだと思う。
僕はおっさんだらけの職場で働いているが、よくそう感じる。そんなおっさん達を見て、少なくとも僕は新しいものを見ていきたいし、決して頭ごなしに否定してはいけないと自分に言い聞かせている。
LINEを使わないおっさんの心理
新しいことを始めるということは、これまでの自分が変わるということだ。始めるものによって少しだけ変わったり、大きく変わったりする。
歳を取ってくるとそういう変化を恐れるようになる。これまでの自分を変える必要があり、それは面倒くさいと感じるからだ。それに現状の安定が危ぶまれるんじゃないかという心理もあるのだろう。
ある時、職場のおっさんに「ラインって便利なの?」と聞かれた。おっさんはLINEをやっていない。スマホ歴5年ほどにもなるのに、スマホはガラケーのようにしか使っていない。最近ようやくグーグルマップの便利さを知った人だ。
僕は「便利だからやった方がいいし、仕事の時間変更の連絡もできればラインにしてほしい」と伝えた
僕の職場の現場仕事は急遽の時間変更が時々ある。まあ毎日のように会社に出ていれば「あそこ変わったから」と口頭で連絡をしてくれるので携帯を使う必要はない。
当日の変更はそれほど多くないが、その場合の変更の連絡は担当者からの電話やショートメールになる。
連絡自体は会社からではなく個人の携帯電話間でのやり取りになるので、LINEがあるならその方が便利なのだ。ショートメールで連絡が来たことがあるが、ショートメールなど僕は全く使わないのでその時は気がつかなかった。使う人もいないから来ない、ので見ないという感じだ。
気がついてないから返事をしなかったのだけど、返事がなかったらその連絡が伝わっていないというふうには考えてくれない。「こちらは連絡したからね」というスタンスだ。
こういうことが多いならショートメールをチェックするようにするけど、これが半年に1度くらいのペースで来るから辛い。
というようなことを伝えたのだけどおっさんは「ラインは個人情報ガー、勝手に友達申請ガー」とか言い始めた。LINEのちょっとネガティブな情報だけはやたら詳しいのだ。
そんなおっさんを見ていると「自分が使わなくていい、変わらなくていい理由を探している」というスタンスなんじゃないかと思った。おっさんの普段の仕事ぶりと今回の短い会話でそんな印象を受けたのだ。
便利な未来に嫉妬している?
この根底にあるのは「変わるのは面倒くさい」ということと、「未来に嫉妬している」ということだと思う。
おっさんはこれまで生きてきた人生よりも残り時間の方が少ないということを理解している。そして、これまで生きてきた自分の人生は少しでも肯定したいはずだ。
そうすると、これまでになかった新しく便利なものというのは、邪魔な存在になる。「これが自分の若い頃にあったらもっといい人生だったんじゃなかろうか」と思うからだ。
実際に僕もそう思う。転勤族だった小学生の時にLINEがあったらなあと思う。
そういうふうに自分が思わないために、「新しいものには手を出さない」というのが、おっさんの人生の処世術なのだ。歳を重ねるというのは未来よりも過去の方が増えていくとも言えるので、その気持ちはわかる気もするけれど。
最近の若いもん(新しいもの)は…
手を出さないなら手を出さないだけでいいのだけど、タチが悪いのは、デメリットだけ詳しかったり、そこから新しいものを頭から否定してくるというところだ。これは新しいものを便利に使っている人の邪魔になる行為だ。否定するなら使ってみてからにしてほしい。
新しいからいいってわけでもない。合う合わないはある。まず素直な気持ちで使ってみる。話はそこからだ。
「最近の若者はたるんどる」なんて話は死ぬほど繰り返されている話題だ。古代のエジプトでもされていた話題だなんてどこかで聞いたことがある。
この話も、若者=新しいものを否定して自分の人生を肯定したがったり、便利な未来に嫉妬しているおっさんの心理が生んでいるのだろう。
<追記>
少し話はズレるけどちょっと前に
似たような漫画を描きました↓
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