吉本興業の芸人たちの直営業が反社会勢力と結びついているのでは?という問題が、当事者である雨上がり決死隊・宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号・田村亮の謝罪会見によって大きく進展しました。
ぼくは生放送ではないですがこの2人の会見を全て見ました。
ぼくのこの会見前の報道の印象だと、お金をもらっていたことを偽ったことから「まあ謹慎で妥当だろうな」と思っていました。どちらかというと直営業芸人たちに批判的な側でした。
けれども、この謝罪会見で明らかになったことを考えると、どうしてもこの2人が契約解除になってしまった、芸人としてイメージが大きく落ちてしまったのはあまりにもかわいそうだなと、正しくないなと思いました。
ただ、吉本側の会見はまだですので、2人の謝罪会見が全て真実だとした場合ですが。(ぼくには彼らが嘘をついているようには見えませんでした)
この会見の直後に松本人志がツイートをしています。
このツイートには震えました。もう、かっこよすぎて。
松本人志は会見を見て、その日のうちに会社に出向き、ダウンタウンの元マネージャーであり吉本興業の現社長である岡本昭彦に掛け合います。そして次の日には普段は事前収録である『ワイドナショー』を急遽生放送に変更、胸の内を語りました。
ワイドナショー生放送まとめ
急遽生放送になったワイドナショーをぼくは生で見れたんですが、ポイントをまとめてみました。
松本興業爆誕か
松本は、今回の件で報道が出て謹慎になりイメージが下がってしまった芸人たちの救済処置として、「吉本興業内に松本興業のようなものを立ち上げて俺が面倒見てもいい」ということを会社に伝えたようです。会社はこれに了承したようです。
宮迫、亮の会見を受けて、「松本が吉本から独立する」という選択肢もなくはないのかなと思っていんたんですが、そこまではいかず、吉本の中に松本の部署のようなものを作る可能性があるというニュアンスでした。
ぼくにはこれはとても現実的な解決策のように思えました。
謹慎になってしまった芸人たちは、謹慎が明けたとしてもイメージが悪いためスポンサーNGでテレビに出られない可能性があります。でも松本を通してならテレビでなくとも、Amazonプライムの番組だったりイベントだったり仕事はありそうです。
まさかの東野の目にも涙
一番驚いたのはあの東野幸治が目に涙を浮かべていたこと。飼っていたカメが死んだからゴミ箱に捨てたでおなじみの東野幸治が、泣いていたんです。
涙の理由はもちろん、積もり積もったものがあったからでしょう。泣いたタイミングは、忘れられてしまっている他の謹慎芸人たちについて。「吉本興業が芸人を軽視しているのではないか」というツイッターの質問からでした。
今回謹慎処分になってしまった芸人は大勢います。スリムクラブ、2700、レイザーラモンHG、ガリットチュウ福島、くまだまさし、パンチ浜崎、天津木村、ムーディ勝山、ストロベビー・ディエゴ。
当然ですが、宮迫と亮に話題が集中する中で、今回の件で謹慎せざるを得ない上に、仕事も蓄えも少ないであろう弱い立場の芸人に配慮した思いが強く見えた涙でした。
仲間のための涙だったんですよね。あれを見ていてもらい泣きしない人っているんでしょうか。
22日に岡本社長が会見
松本は吉本が会見を開かないとダメだと会社に伝えたそうです。それに対し岡本社長は同意したそう。
社長は言われるまでもなくそのつもりはあったというニュアンスでした。宮迫、亮の会見を受けて一旦出された岡本社長の謝罪VTRはカンペを見ながらなのか、目が泳いでいましたが、、
ワイドナショーの生放送に岡本社長を呼ぶ案もあったようですが、身内擁護にもなってしまう可能性があるとのことでやめたようです。この辺の松本人志のバランス感覚は感心しました。
乳首相撲で解決(理想)
今回の件、宮迫と亮の、「一旦嘘はついてしまったけれども、やっぱり真実を明かして謝罪したいという思い」と岡本社長の「芸人を切り捨ててでも会社を守りたい」との意見が合わらなかったことから大きくなっています。
宮迫の話では、最後は岡本社長と会って話もできたかった模様です。それを受けて松本がもう一度、宮迫、亮、岡本社長で話す場を設けるよう伝え、場合によっては自分もその席に行くと。それを社長も了承したようです。
その上で落とし所は岡本社長と宮迫の乳首相撲だとボケていました。
、、、
これボケになっていたんですけど、吉本興業の笑いを見てきた一視聴者のぼくとしては本当にやってほしいと思いました。そういう会社になってほしい、そういう会社だったじゃん、そういう人(岡本)だったじゃんと思っています。
この騒動すらエンタメ化するような、笑いってそういうことじゃん、笑い作る会社ってそうじゃん、というイメージがあるんです。数年後でも、本当に実現したらいいと思っています。
大崎会長がやめるなら松本もやめる
今回の件で松本が会社に掛け合った場は、松本人志、東野幸治、岡本社長、大崎会長の4人だったそうです。
そこで大崎会長は「これ以上問題が大きくなるようなら自分の進退も考えなきゃいけない」という発言。それに対し松本はそれは全力で止めると、なぜなら「大崎会長と一緒にやってきたし大崎会長がやめるなら自分もやめる」と言ったようです。
この発言に松本の気持ちの全てが詰まっているように思います。芸人を守り、会社を守るという立場が一貫しているんですよね。つまり芸人も大切にするし会社も大切にしているから、その上での落とし所を探るスタンスな訳です。
ワイドナの生放送の前には「松本が会社に怒りを感じて独立もあるかも」なんてネットで言われていたしぼくも無くはないなと思っていたんですが、そうではありませんでした。
全ては笑いに対する強い思いからくる行動のように思えて、いや、まっちゃんかっこよすぎるぜ。
笑いが好き、それだけ
今回のワイドナショーの生放送を見て、ぼくは感心したし感動したんですよね。ひとしきり話した後で「お笑いが好きだしお笑いが好きな人たちが好きだから」と松本が言っていましたが、そこが一貫している芯の強さを感じました。
その上でファミリーとか曖昧な言葉じゃなくて、世の流れを読んだ上で現実的な落とし所もきちんと考えている感じがしていて。
松本と東野は社長や会長と直接話せる環境にあるようです。その反面、東野より下の世代の芸人(ほとんどですよね)の意見は何重にも話を通さないと受け入れられない。
まあ普通の会社と同じっちゃ同じですが、だからこそのこの松本、東野の2人の存在は希望であるし、2人がいる吉本興業はいいなと思ったんですよね。動くべき人がちゃんと動いているんです。
この件に対する2人の動きが理想的すぎて、自分の個人的な立場から見ると本当にヒーローに見えました。
特に松本人志のバランス感覚というのは本当にすごいなと思います。
笑いは空気を壊したり作ったりすることで出来上がるので、世の中の空気を読む、前提を理解していることが重要なんですよね。バランス感覚あってこその笑いなので、時代の変化をきちんと見通している松本人志という芸人はやっぱりまだまだナンバーワンだなと思いました。
そして、こんな話題にも要所要所に笑いがあったのが本当に良かった。笑いは必要なものだし、松本人志の笑いが好きで見てきてよかったなと思わせてくれて、本当に嬉しかったんです。
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