コロナウイルス対策で外出自粛ムードがある中、漫画業界が頑張っていて、既刊の漫画が無料公開されています。
ここにまとめられています
以前から興味のあったサッカー漫画の『GIANT KILLING』が無料だったの読んでみました。
GIANT KILLING
ジャイアントキリングはサッカー漫画です。
普通のサッカー漫画と違うのは監督が主人公だってところです。
イングランド5部のアマチュアクラブをFAカップでベスト32まで勝ち上がらせる実績を挙げた監督、達海猛が日本に戻って弱小チームを率いて奮闘するお話。
2010年にはアニメ化もされていて、漫画はすでに53巻まで出ている長期連載の漫画です。
この漫画が50話まで無料で読めます。期間は2020年3/31日まで。
これまでのサッカー漫画にない面白さ
ぼくは子供の頃にサッカーをやっていたので、サッカー漫画もそこそこ読んできました。『キャプテン翼』『シュート!』『Jドリーム』などなど。古いっすね、、
他にも全部を読まなくても、サッカー漫画だったらとりあえず数話は目を通していました。
少年漫画におけるサッカーものってなると、選手が主人公で必殺技みたいなのを獲得して(ドライブシュートとか幻の左とか)、特別な才能だったり圧倒的努力で戦っていくっていうものが多い気がします。
まあ、サッカーに限らず少年漫画の王道の手法ですね。
なので、言ってしまえば別にサッカーじゃなくても良いじゃんって感じなんです。サッカーを土台に「友情・努力・勝利」を描ければ良いって言う感じ。
これって個人がボールを蹴るなどのサッカーの面白さは伝わりますが、サッカーのゲームとしての面白さはあまり伝わならいんですよね。
まあ、それが少年漫画だからね
一方、ジャイアントキリングは主人公が監督です。なので、雷獣シュートみたいな必殺技とかありません。
監督は選手を動かす立場なので、選手に戦い方を教えて、戦術で勝っていく、それがメインの物語なんですね。ここが面白いし、これまでになかったと思いました。
これまでのサッカー漫画がサッカーをダイジェストだけで見る面白さだとすれば、ジャイアントキリングはサッカーの1試合通しての面白さを描こうとしているんじゃないかなと思います。
まあダイジェストは楽しいですよ。90分の試合の一番いいところだけを切り取ったスーパープレー集なので。
でも、そのプレーが生まれるにいたった過程に何が起こっていたのか?この面白さだってあるんです。
この部分はダイジェストに比べると圧倒的に地味です。でも、そこにサッカーの面白さが詰まっているとも言える。その地味な部分を漫画的面白さを保ちながら描いている素晴らしい漫画だと思います。
うまくかなかったところ修正し、戦い方を変えて好転していく感じがサッカーの醍醐味のひとつ。そういう部分を描こうとしている
サッカーのいろんな側面
ぼくはまだ無料の50話までしか読んでいないので、この先どうなるのかはわかりませんけど、ジャイアントキリングはサッカーのいろんな側面を伝えようとしている漫画だと思います。
クラブチームの運営、サポーターとの確執、カメラマンや記者の視点など漫画的面白さもありながらリアリティもある丁寧さがあって興味深いです。
特にカメラマンが面白かったですね。
カメラマンは試合の一番良いシーンを撮るために事前に場所を確保しますよね。ゴールの瞬間を撮るためにはどちらのゴール前に行くか、賭けとも言えるわけです。
どちらのサイドにいるかも重要になってきます。ということは、そのクラブのストロングポイントを知っていないと良い写真が撮れないんです。
だから実はカメラマンがサッカーにめちゃくちゃ詳しかったりするんですよね。
そんなふうにして、サッカーをいろんな目線から切り取とろうとしていて、ただただテレビで試合を見ているだけでは伝わりきらない面白さ、それもリアリティのある面白さを伝えてくれます。
監督の真意を探ろうとする記者の質問力も大事。現実でも森保監督にね、もっと深い質問を投げて欲しいよね
戦術解説とかあるのかも?
50話までではまだ全貌は見えてきませんが、主人公は人身掌握術にもたけた一方で戦術眼ももった優秀な監督のようです。
ちょうどレアルマドリーのジダン監督の求心力と元バルセロナのバルベルデ監督の戦術眼を持ったような感じとでも言いましょうか。
っていうふうに、他の監督の個性もどんどん出てくると思うんですよね。資金力に頼った監督なんかも出てきますが、今後は戦術マニアだったり、モチベーターだったりも出てきそう。
そういう戦術の深さや、集団をうまく率いていく術なんかが描かれていくと面白いと思います。
まあ50巻以上も出ているのでこれから追いつくにはちょっと辛いけど、それでも読みたくなるような面白さがありました。
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