人間には3つの欲求がある。食欲、性欲、睡眠欲だ。三大欲求と言われている。
しかし、普通に暮らしていて、自分の欲望はこの3つに収まらないものもあるなと感じる。人間の欲望はもう少し複雑なのだ。
七つの欲求
僕は今、『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』という本を読み返している。この本は草薙龍瞬という原始仏典に学び、宗派に属さず活動する僧侶が書いた本だ。
この本で人間の欲求の話がある。ブッダは人間の”求める心”が七つに分けられると発見したというものだ。これがうまく整理されていてしっくりくる。
”求める心”は、発生後、”七つの欲求”に枝分かれします。現代心理学の知識を借りると、七つの欲求とは、1生存欲(生きたい)、2睡眠欲(眠りたい)、3食欲(食べたい)、4性欲(交わりたい)、5怠惰欲(ラクをしたい)、6感楽欲(音やビジュアルなどの感覚の快楽を味わいたい)、そして、7承認欲(認められたい)です。
よく言われる三大欲求以外に、生存欲、怠惰欲、感楽欲、承認欲がある。この、三大欲求以外の四つの欲求が、非常にしっくりくる。
生存欲
三大欲求に分類してしまうと、食欲になってしまいそうな生存欲。
しかし、食欲とは全く違う。ただ、「自分が生きていたい」という生物の根幹、何よりも真っ先に存在する本能だ。生存を欲という風に捉えるとすると、これがもっとも強い欲求と言って間違いないだろう。
もっとも強いはずの欲望である生存欲が、三大欲求に入っていないのは疑問である。つまり、よく言われる食欲、性欲、睡眠欲は、「三大」とくくる程のものでもないのだ。
怠惰欲
これは休息的な意味で、これまでは睡眠欲に分類されてきただろうか。しかし、この怠惰欲はそうではない。
「ラクをしたい、サボりたい、面倒なことはしたくない」というような欲望である。こんな欲望は誰にでもあるはずだ。
僕が持っている欲望の中では間違いなく一番強い欲望だと思う。
感楽欲
感楽欲は「音やビジュアルなどの感覚の快楽を味わいたい」とある。このような欲求はこれまでは性欲に分類されてしまっていたと思う。
この感楽欲というのが旧世代のおじさんたちに理解されない部分だ。
音楽などのアート活動はそれだけで満たされるからやっているのに「結局はモテたいからやってるんだろ」と簡単に片付けられてしまったりする。
もちろん性欲はある。ただそれはまた別の話なのだ。性欲と一緒にされてはしっくりこない欲求があるのだ。
感覚を楽しむ欲望なので、物欲もここに分類できる。
承認欲
これは今の時代は肥大化している欲望だろう。これも旧世代のおじさんたちには性欲として片付けられてしまう欲の一つだと思う。人から認められたい?結局モテたいんだろって。
そんな簡単な話でもないのだ。僕は承認欲はどちらかと言えば生存欲に近いようなもののような気がしている。「自分の存在を肯定されたい、認められたい」そんな気持ちは誰にだってあるはずだ。
欲望を分類して客観視しよう
『反応しない練習』ではこの七つの”求める心”をまず整理して、自分が今何を求めているのか理解することから始める。
そうやって自分の欲を客観的に理解することで、だんだんと自分の欲が収まっていくことがある。この”客観視する”ということが大切だ。欲はただの心の反応だと理解するのだ。
もちろん欲望がなくなることはない。その欲望があるおかげで人は生きていける。
しかし、その欲望が度を超えてしまったら、人生は苦しいものになってしまう。そうならないためには、自分の心を見て欲望を分類して、欲望を客観視することが必要なのだ。
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