今年もM-1グランプリが開催、今年2018年は決勝初進出の霜降り明星が優勝を果たしました。
霜降り明星はR-1ぐらんぷり2018の決勝にピン芸人として2人共進出(せいやは敗者復活枠)しただけある実力を見せたなあという感じです。
彼らはM-1での史上最年少の優勝のようです。キング・オブ・コント2018も史上最年少のハナコが優勝しましたし、お笑い新時代の到来を感じさせますね。
ここでは、M-1グランプリ2018の出場者の感想を1組づつ書きつつ、最後に2018年大会の雑感を書いていきます。
M-1グランプリ2018
見取り図
1度見たことがあるネタだった。回収するボケが印象的。マルコ牧師など、知らない言葉を「ん?何それ」と思わせといて後で笑わせる。でも、回収するまでの間が長くて、その間の笑いが少ない。この技はリスクもあるなあと思った。まが玉など、出してくるワードは面白かった。
合計606 9位
スーパーマラドーナ
ぼくは好みではない芸人だけど、例年よりも面白かった。展開がどうなるか、スーマラならこうだろうと予想したものその通りの展開だったけど、笑えた。でもコントの方が面白そうなネタかなと。このネタならコントにした方がよりポップに伝わりそう。
合計617 7位
かまいたち
ボケの理論の方が強い形。正すべき立場のツッコミがタジタジになっていて面白い。数年前の和牛の理詰めのボケともちょっと違くて、こういう形は初めて見たから面白かった。ボケが正しさを訴える感じが良い。今大会「あ、決勝の決勝行ったな」と思った始めての組。でも意外と点数は伸びず。
合計636 5位
ジャルジャル
リズム芸をうまく漫才に。立川志らくが今大会最高点の99点、会場も大盛り上がりだったけど、ぼくはそれほど笑えなかった。なんで笑えなかったかうまく言えないけど、リズム感と音程、そして「ドネシア」「ゼンチン」など音の面白さなので音楽的に分析して見てしまった感じがする。
漫才の間というよりは、音楽のノリとかグルーヴ感とか大事なネタという感じ。
合計648 3位
ギャロップ
達者なしゃべくり漫才という感じ。ハゲネタで行くなら、ほとんどの人が初見だろうからハゲというキャラクターををもっといじってから漫才に入った方が良かったんじゃないかと。安定感はあったけど盛り上がりきらなかった。
合計614 8位
ゆにばーす
リアルタイムでは聞き取りづらくてわからなかったけど最初の方に噛んでしまったようで、そのまま笑いが繋がっていかなかった感じ。間が独特なコンビだと思うけど、その間が心配してしまう感じがあった。つぎ笑いきてくれるか?っていう心配感。中川家礼二の91点は高くてちょっと疑問符。
合計594 10位
ミキ(敗者復活枠
ツッコミで笑わせるしゃべくり漫才。ぼくは準々決勝のネタを見ていたけど、それよりも面白くなっていた。やっぱり敗者復活枠で一度野外の舞台に立っているからか、声が出ている。で、声が出ていると良い感じの漫才なのでハマった感じ。
合計638 4位
トム・ブラウン
変な奴らが出てきた感が強い掴みで笑う。ぼくは一度見たことがあるネタだったけど、その時よりも面白くなっていた。謎の展開をしつこく見せられるので、「一体何を見させられているんだ」という感じで笑えてくる。力技で自分たちの空気に持って行く実力がある。めちゃくちゃ面白かった。
ネタ後のトークで2本目に含みを持たせるあたりが好き。そして2本目めちゃくちゃ面白そうだった。
合計633 6位
霜降り明星
ツッコミワードのセンスがめちゃくちゃあるなと。ボケは動きまくっているので盛り上がっている感が出る。その勢いにクサビを入れるようにところどころにポイントになるツッコミワードが来るので笑える。
合計662 1位
和牛
最初はローテンションでしゃべくりで、空気的にどうかなと思ったけど中盤から終盤にかけて和牛に期待している通りの笑いがあった。和牛は結局面白い。
「ゾンビになりかけが抜かされる」これが今日一番笑った。うまくて達者タイプなのにこの発想の笑いもあるんかと。
合計656 2位
M-1グランプリ2018、決勝の決勝
ジャルジャル
一度M-1かどこかで見たことがある気がするネタだった。でも笑える。小学生の意地の張り合い感が面白い。ジャルジャルはキャラが立っていないとよく言われるけど、ジャルジャルは芸の人で、面白い遊びを発明する芸人というキャラクターがM-1で作れたんじゃないかと思う。
和牛
もう漫才を超えたエンタメという感じがあった。漫才という枠からはみ出まくっている。笑いとエンタメ。
霜降り明星
形は1本目と変わらず、動きまくるボケとツッコミワードのセンス。ぼくはお腹いっぱいなところがあったけど、走馬灯のボケからの「しょうもない人生」というツッコミワードで一気に引き込まれて笑えた。
霜降り明星4票、和牛3票
審査員のオール巨人、中川家礼二、ナイツ塙、立川志らくが霜降り明星に。サンドウィッチマン富澤、松本人志、上沼恵美子が和牛に。1票差で霜降り明星が優勝。
ぼくはこの3組なら霜降り明星か和牛かなと、んで好みでいうと和牛かなという感じ。霜降り明星は勢いもあったので優勝は妥当かなと。
漫才の枠を超えた戦い
いやー今年のM-1もめちゃくちゃ面白かったですね。
ぼくは初見の芸人がいなかったんで「新鮮味はないかな?」と思っていたんですが、見たことがあるネタでも面白くなっていたり、新たなスタイルが加わっていたりので、飽きずに笑えました。
今大会の雑感としては、もうM-1は漫才の枠を超えた戦いになってきているなということ。「センターマイクの前で面白い話をする」というのではなく、エンタメとして面白いものを取り入れる組が強いという感じがしました。
ジャルジャルは元々漫才に縛られない形が特徴としてありますし、優勝を争った霜降り明星も和牛も、しゃべくりもやりつつも、漫才コントでもなく、演じてお客さんに絵を見せる、演劇のような笑いをしていたと思いました。
漫才師として舞台に出てきてはいるけど、やっていることは実は漫才じゃなくて、いろんなエンタメ性が詰まったものという感じです。
今大会爪痕を残した感のあるトム・ブラウンなんかもそうですが、そういう組が勝ち上がっているし笑いが大きかった気がします。なんかもう漫才とは違う枠で戦っているなと感じがしたんですよね。そっちの方がマジョリティになりつつあるんじゃないかなと。
で、それが漫才じゃないからダメじゃんというわけでもなく、笑えるからいいじゃんという気がしました。審査員の得点もきちんと入っていますしね。
R-1ぐらんぷりのような、ピンなら何やってもいい感じに近づいてきている気がしますね。M-1は、小道具さえ使わなければなんでも良いという域まで行きそうです。
この漫才の縛りを解いたのは、よく言われていると思いますが、やはりピンマイクの存在だろうなと思います。
センターマイクしかない時代に生まれたものなので漫才は立ち話になり、その形が進化したのだと思いますが、今やピンマイクがあるので舞台上でどれだけ動いても言葉は伝わります。
追記:M-1はピンマイクは付けないでセンターマイクのみでやるというルールがあるようです。ただ、決勝のみガンマイクで音も拾っているとのこと。
動き回る人たちが出てくると、動かない人は逆に勢いがないという風に見えてきてしまったりするんですよね。
本来動きの笑いが作りにくい環境でやっていた笑いだから喋りに特化してきたのに、動きもできるとなると「そりゃ動いた方が面白いよね」という笑いも出てきます。漫才に、手数として動き回る笑いが増えたんですね。
やっぱり大衆に向けてはリアクションが小さいよりも大きい方がいいですよね。動きの笑いは強いなと今大会は強く感じました。
というわけで今後のM-1は漫才のフォーマットでいかに上手に漫才の枠からはみ出るかという戦いになりそうだなあと今大会を見ていて思いました。
長くなったので終わり
色々考えながら書いていて無駄に長くなってしまいました。
まあ単純にしゃべくりとコントのハイブリッド、喋りと動きのハイブリッドが強くなるんじゃないかなという話でした。
で、そんな話ってこれまで何度も出ている気もしますね。
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